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“緑のある暮らし”フォーラム
第12回 植物と環境のための上手な水やり バックナンバー
照りつける日射しがいよいよ強くなる時期に入ります。人間も喉がすぐ渇くように、植物も水を要求するようになります。これから夏に向けて、水やりは一日一度、あるいはそれ以上やらなくてはならないこともあります。 また、初めて庭に新しい植物(草木)を入れた場合は特に注意が必要です。
そこで、普段なにげなく庭で使っている水を、植物にとってあるいは根を支える土壌にとっても、上手に水を与えているかどうか、また過剰に水やりをしていないだろうか、という“水のポイント”について考えてみます。
知らず知らずのうちに浪費される水
雨が多い国といわれる日本では、水はそこにあって当たり前、蛇口をひねれば当然出てくるものと思われています。しかし、梅雨の時期はあんなにあった水も、夏になれば局地的な干ばつや気象の変動によって不足がちで、様々な現象が生まれている今日です。 庭の水を賢く使うことは資源の節約も含め、植物にとっても大切なことです。

◆賢い水やりは生態系を守ることを知っていますか?

私たちのような専門家も、また一般の方々にとっても、賢い水やりは、植物を健康に維持し、殺虫剤や殺菌剤の使用量を減らし、より健やかな環境をつくります。
意外と知られていないことですが、過剰な水やりによって化学肥料や殺虫剤などが溶け出し土壌から下水、地下水に流れ、川や海へ流れ出してしまいます。庭に水を使う量を少なくすることで、最終的には人間、植物、魚、そして他の野生生物を含む大きな生態系を汚染から守るのです。
効率よく水をやるには…?
賢い水やりをはじめることは、私たちに多くの豊かさをもたらしてくれます。水道代は安くなり、庭は健康になります。水の過不足は、植物を枯らすだけでなく、病害虫にかかりやすい弱い植物を作りだしてしまいます。植物を元気に育てるためには、植物ごとに異なる“必要とする水分量”をそれぞれに与えてあげることが大切です。
水を必要とする植物、水があまり必要としない植物と、意識して水やりすることから始めますが、それには、まず植物を植える際に、必要とする水の量に合わせて植える植物をグループ化して植えることが大切です。庭のデザインにも影響されますので植物の選択には注意が必要です。植物の性格、性質を根気よく調べるチャンスにもなります。そのうえで物の形や色、全体のバランスを考え庭をデザインしましょう。



水やりが欠かせない時期には、毎日手動で水をやるのは大変だし、ついつい水をやりすぎてしまいます。そんな問題も、市販されている一般の灌水システムを導入することによって解決できます。
灌水システムを上手に使いこなすには
● 植物にあった灌水器具を選ぶ

灌水器具には、一般に「ドリップ式」と「スプリンクラー」が挙げられます。
【ドリップ式】
チューブや灌水器具から直接地面に配水される方法で、チューブに穴があいているドリップチューブや、チューブの先端に一定の水量がでる灌水器具を取り付けるものなどがあります。
以下のようなメリットがたくさんあります。

<メリット>
・必要なエリアだけに灌水できる
・土に直接灌水するので、無駄な蒸発が少なく根に届きやすい
・土のはね返しや葉が濡れることで病気の発生が少なくなる

【スプリンクラー】
低く密に繁るグラウンドカバーなどに向き、角度や散水範囲を様々に調節できるものもあります。芝生には一般的に大型のスプリンクラーを用いますが、芝生の種類によっては、美しく育つには大量の水分を必要とし、またスプリンクラーによる水の蒸散も大きいので、芝生の種類と範囲については見直してみることも時には必要です。

一定量の水が出る
ドリップ式灌水器具

水がしみでるソーカーホース

芝生用スプリンクラーの1種
◆水やり上手度チェック(スプリンクラー編)

あなたは、次のうちいくつ「○」がありますか?
スプリンクラーを使用するときは、表面流出せずに土壌にしみこむように、水量を調節している。
水が風で吹き飛ばされないように、スプリンクラーを調整している。
蒸発損失量を最小にするために、風の穏やかな朝晩の涼しい時間に水やりを行うことにしている。
スプリンクラーの飛散距離や飛散パターンを調節し、通路などの無駄な場所に水やりをしないようにしている。
芝生と他の植物とは、必要な水分量が違うので、別々に水やりを行っている
土壌に直接水を供給できるよう、樹木や低木、花壇などへの水やりは、ソーカーホースやドリップ灌水を用いている。
※6個=合格/2〜5個=まあまあ/0〜1個=がんばりましょう
(c)日本ゼリスケープデザイン研究協会

● 水やり時間と時間帯の調節

水やりの時間帯は、朝か夕方の風のおだやかな時間にやるのがベストです。
また、タイマーを用いるのなら、植物の種類、土壌、日当たりなどにより、植物の最適な灌水量は変わりますので、一定の時間タイマーをセットしたら、定期的に見直してチェックしましょう

● 必要なくなったら水やりを止める

樹木や多年草は、定着したあとは、自然降雨だけでほとんど水やりを必要としない場合もあります
取り付けた灌水システムは定期的に見直して、必要なくなった箇所にはエンドプラグなどでふさぎます
また冬場は植物があまり水を必要としないのと凍結予防のため、灌水システムによる配水を止め、管内の水を抜きましょう。
上記の項目はもっとも基本的ですが、植物の植えてある場所、例えばハンキングや敷地の中の高所低所・日陰や日向、また季節による風当たりや太陽の向きなどによっても、必要な水分量は変わってきます。日陰をうまく利用し灌水のバランスを考えて2〜3日1回で済む場合もあります。こまめにチェックして工夫しましょう。
バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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