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“緑のある暮らし”フォーラム
第14回 日陰のガーデン バックナンバー
どんな庭の中にも日陰の空間はあります。それは北向きの玄関のまわりであったり、庭の樹木の下、隣との塀の境であったり・・・。
限られた空間の庭のなかでは、「いつも日当たりがいい」場所のほうがまれなのではないでしょうか。
ついついほっておいてしまう場所でも、実は、「日陰」のほうが手入れが少なく水やりも時々で済み、一年を通して美しい緑の空間にもなれるのです。
あなたの庭の中の「日陰の空間」を見直してみましょう。
日陰の度合い
ひとくちに「日陰」といっても、いろいろなレベルの日陰があります。たとえば、みっしりと茂った常緑樹の足元や、遮蔽物に囲まれて一日中全く日があたらないスペース、これは残念ながらほとんど何も栽培できない場所です。しかし、枝が高く茎葉も開放的な樹木の下に落ちるまだらの日陰だと、いろいろな植物が生育できます。これを半日陰といいます。
また一日の中で数時間だけ日が当たる、日陰のスペースもあり、これは部分日陰といいます。もちろん一年を通しても日の当たり具合は変わってきます。実際にいつどのくらい日が当たるかは、庭づくりをする上で知っておかなければならない重要な条件です。

夏は太陽はほぼ東西軸の真上を移動し、正午にはほとんど陰が落ちません。冬だと、太陽は東西軸のやや南よりを移動するので、住宅や構造物の北側には長い陰が落ち、日陰のスペースは増え、一方、建物の南面の中まで日光を取り入れることができます。まず、太陽と日陰の正しい位置を理解すれば、どこにどんな植物を植えたらいいか目安になるはずです。


夏の太陽の動き

冬の太陽の動き

日陰は必ずしも環境を悪くさせるものでなく、ある部分では落ち着いた雰囲気の空間をつくることができます。人も庭で過ごす時、日向には居続けることはできず、やはりほっとくつろぐのは日陰の空間でしょう。ある程度の日陰に対応する植物はたくさんあるので、心地よい日陰のガーデンづくりのレッスンを始めましょう。
常緑の植物をベースにしよう
まず日陰には、常緑植物をベースにすることから考えます。
新緑の葉が明るい色のシラカシなどは背景に向きます。
さらに緑の中にアクセントとして花の色を加えることにより明るさと広がりが出てきますから、花の咲く常緑灌木はうってつけです。

花の咲く常緑灌木 ツバキ、サザンカ、シャクナゲ、ツツジ、ジンチョウゲなど
◆葉だけでも明るい空間になる

常緑といっても濃い緑の葉だけだと単調になってしまうので、堅い葉と柔らかい葉、針葉樹と広葉樹を取り混ぜるなど工夫をすると変化がでます。とりわけ斑入りの葉は明るく見せる効果があります。
また、今いろいろな品種ででている黄色い葉の植物も、アクセントになる上、そこだけ日が当たったように明るく見せます。

斑入りの灌木 ヤツデ、アオキ、モチ、ヒイラギ、シルバープリペットなど
黄色葉の灌木 フィリフィラ・オーレア、オウゴンモチ、グミ'ギルドエッジ'など
◆グラウンドカバーを活用


狭いサイドヤードも、白く塗ったラチスとさまざまな緑で明るい空間に
コーナーや地表面は常緑のグラウンドカバーで演出します。
斑入りのものを選べば、狭い隙間でも明るくなります。

日陰の
グランドカバー
アイビー、リュウノヒゲ、フッキソウ、ツルニチニチソウ、ヤブラン、ツワブキなど

◆その上で落葉植物を取り入れてみよう

日陰には常緑樹をベースに考えるといっても、あまりに植え込みすぎるとますます日当たりが悪く、通風も制限されて植物にとってもよい影響を与えません。
そこで、常緑樹をベースに、葉や花が美しい落葉樹や、冬に葉がなくなる多年草を植えて変化をつけます。冬により多くの日光を取り入れることと、春の新緑や花を楽しむ両方のメリットがあります。

日陰で育つ花や葉が
美しい落葉樹
ハナミズキ、ジューンベリー、ハナズオウ、ヒメシャラ、エゴノキ、アジサイなど
日陰を好む
美しい多年草
ギボウシ、アスチルベ、クリスマスローズ、ヒマラヤユキノシタ、カタクリ、シラー、ナルコユリなど
熱帯性植物の中でも林の中に生育する低木や草花は、暗い日陰でも丈夫に育ちます。日陰では、優雅な葉姿や豪華な花をつける豊富な陰性植物のガーデニングを楽しむことができます。これらの陰性植物の色や質感は、繊細で洗練された雰囲気をつくることができます。

●ベゴニア ●ニューギニアインパチエンス ●シダ
●エビネ ●ニオイバンマツリ ●アガパンサス
●ジンジャー ●カラジウムリリー ●フィロデンドロン
(但し、霜が降りる地域では植栽不可)

日陰に対応する植物はこのようにたくさんありますが、ポイントは人が過ごす空間も含め、ゆとりをもって植物を配置することです。ひとつのコーナーに絵を描くように、必要な植物を最適なところに配置しないと、狭苦しい感じになってしまいます。
視点を変えて、日陰そのものを減らす工夫をしてみるのも有効な手段です。

日陰を減らすポイント
高木の下枝を剪定し、光が入れやすくする。
高い枝は、枝すかしをして木漏れ日を多くする。
壁やフェンスなどを明るい色に塗ったり、地面の舗装材の石やタイル、レンガなどを明るい色のものを選ぶ。また白っぽい砂利でマルチングするだけでも効果的。
オブジェとして、ステンレスや鏡など反射する素材のものを取り入れてみる。
・・・次回は、「インドアグリーン」をお届けします。ご期待ください!
バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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