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“緑のある暮らし”フォーラム
第18回 庭の照明 バックナンバー
夜の庭は、昼間とまったく違った演出ができます。色も形もすべてが晒される昼間と違って、夜は照明の演出によって違った表情を引き出すことができるのです。冬枯れのこのシーズンも、逆に光と影をあやつることで印象的に見せ、生活の空間を広げる・・・そんな庭の照明について紹介します。
夜の庭を楽しむ
眺める、庭でバーベキューをするなど、照明によって庭の使い方は広がりますが、夜の庭は、視覚だけでなく聴覚、嗅覚も昼間より呼び覚まします。秋には虫の声を聞き、春から夏はバラやユリ、くちなしなど、秋はキンモクセイ、冬にはロウバイなど香りを楽しめる植物がたくさんあります。忙しい人にとっては、夜の庭こそ楽しみ、また癒される空間であるのかもしれません。
照明の効果
庭の照明の役割はまず、適当な明るさによって訪れる人を安全に迎え入れ、誘導することです。

そして、庭を明るくすることによって、中と外をつなぎ部屋を広く見せる効果があります。通常、明るいところから窓ガラスを通して暗いところを見ると、中の光がガラスに反射して鏡のようになってしまいます。ところが、庭に明かりがあるとそのまま視線が庭まで届き、部屋がつながったかのように空間に広がりがでます。中庭などでは特に欠かせないものです。しかも寒いこの時期、暖かい部屋の中にいながら冬枯れの落葉樹の樹形や、常緑樹のシルエット、そして庭のオブジェなど見せたいものだけを楽しむことができるのです。
いろいろな照明の種類の用途、配置を工夫することで、さまざまに庭を演出することができます。
照明の種類
庭の照明は、控えめで質のよい雰囲気を演出することを目標に、さりげないものがよいといえます。夜に見た場合の光の量、方向、色、そして昼に見た場合の照明器具そのものの存在感の、両方を考慮して選びます。
○ 樹木を照らすアッパーライト

シンボルツリーなどを地面近くにスポットライトを設置して、樹木を照らすアッパーライトは、たったひとつあるだけでもとても印象的です。

その際の注意点は、照らす背景が暗いことと、照明があまり明るすぎることがないようにすることです。目立たせたい樹木のシルエットだけでなく、まわりの目立たせたくない部分までもはっきりと映し出して見えてしまうからです。上手に照らすと本来の樹木の形を際だたせ、かつ樹木自身に当たった光が反射して、間接照明のように庭全体を照らすという効果が期待できます。

また針葉樹やトピアリーなど幾何学的な造形のなものは横から光を当てると、陰影がついてメリハリがでます。

○ 壁を照らす間接照明ウォールウォッシャー

壁際ぎりぎりに設置した照明器具から壁に光を流すように照らして、その反射光を楽しむ方法がウォールウォッシャーです。照明器具から直接の明かりが見えないようにし、その手前に置いたオブジェや樹木の枝のシルエットを際だたせ、奥行きを感じさせます。

折り重なって葉の隙間から漏れてくる光が、建物、庭の壁、フェンスなどの垂直面にあたり、柔らかな美しい効果を演出します。また、壁に直接取り付ける突き出し燈台型の照明は、デザインそのものをポイントにします。

○ 地面を照らす明かり

足元誘導灯として通路に取り付けるものだけでなく、使い方によっては地面の起伏を印象づけるのに効果があります。例えば、背の低いグランドカバーや芝生、また枯山水風の砂地などに、上に光りをこぼさず地面に向かって照らす低い照明や低い位置のサイドから地面を照らす照明を使います。


庭を広く見せると同時に、落ち着いた雰囲気をつくることができます。スタンド式の照明器具は露出してしまうので、なるべくさりげないデザインで昼間見ても違和感のないもので揃えます。

その他、池や流れ、あるいは水鉢に光を当てることでその反射光を楽しんだり、灌木の中に照明器具を入れて透ける光をつくったりなど、工夫次第でいろいろなことができます。
これらを、例えば笠付きのフットライトと、フォーカルポイントとなる樹木へ視線を誘導するスポットライトを組み合わせたりと、庭全体のデザインと人の視線の流れ方を考えて組み合わせます。いうならば全部が明るすぎるとただ人工的なだけになってしまうので、見せるところと見せないところを見極めるのがポイントになるのです。
効率よく照明を楽しむには…
 エントランス周りや基本的な配線は、新築時にある程度要望をいれて専門業者に工事してもらうのがベストですが、現在ではさまざまなデザインの屋外用照明が市場にでていて、シンプルで配線工事が必要ない、自分で取り付けられるものもたくさんあります。中には置くだけでいい太陽電池や電池稼働式のものもあります。

また照明のスイッチについては、屋内/屋外スイッチ、点灯自動タイマー付きのものやセンサー付きのものなどあります。
例えば、リビングからいつも目に入るところには決まった時間やまわりの暗さに応じて自動点灯するもの、車庫やサイドヤードの通路には防犯と実用を兼ねて対人センサーつきのもの、フォーカルポイントへのアッパーライトやウォールウォッシャーは手動スイッチなど、用途と維持費を考えて全体をデザインします。

その他、ガーデンパーティなど特別なときだけ、ろうそくをいくつも灯して芝生の上に置いたり、ペンライトのような電池式の小さなライトをあちこちに吊したりというのも洒落ていて、気軽に取り入れることができます。
鑑賞して楽しむだけでなく、四季の変化と年に一度の収穫を楽しむ果樹、庭に新しい楽しみを増やしてくれます。
バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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