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“緑のある暮らし”フォーラム
第2回 賢い水やり バックナンバー
水は、私たちの生活に必要不可欠な資源です。その資源である水を、賢い使い方として庭の植物に取り入れる方法が、“ゼリスケープ”という資源エネルギーの活用技術です。

限られた水資源を有効に活用して、正しい庭の水やりをするにはどうしたらよいのでしょうか。特に、真夏の庭の水やりは欠かせない日課で、その日の天候や植物の種類の選択、庭の面積によっても大きく異なり、易しいようで難しいものです。

そこで誰もが簡単に実践できる、水と緑の話をしますのであなたの大切な庭を見つめ直してください。

【パンパスグラス
( Cortaderia selloana ) 】
堂々とした姿が印象的な多年草。草丈は2〜3m前後にまでなり、夏から初秋、長さ60cmの羽根飾りのような円錐花序が見事である。水やりもあまり必要とせず、庭のフォーカルポイントとなる。
水が気候に与える影響
水と気候の関係を少しお話します。

おそらく身近な場所で体験をしている人もいるはずですが、水は気候に大きく影響を与えています。
同じ緯度でも、海域部はずっと温暖で夏の浜辺は涼しく内陸部より快適で、冬はより穏やかです。これは水による“気候の改善効果”が発揮されたためです。
水は気流を発生させ、夏の間は内陸部の空気が水面の冷気の上に上昇し、水上の冷たい空気が浜のほうに移動します。このとき生じるのが“浜風”です。

水域が大きいほど、付近の気候に与える影響は大きくなりますが、庭にある小さな池の蒸発作用でも、これを活用することができます。
水が蒸発するときに周辺の空気から熱を奪うため、小さい池や噴水でも冷気を感じることが出来るのです。

このように水の影響は身近なところで感じられ、潤いを与えてくれるのです。
樹木のエネルギー交換
庭の樹木と水(蒸発)考えてみると、樹木類は、水分蒸発によるエネルギー交換をしていることがわかります。大木の下の日陰に冷却効果があるのは、樹木自体もその葉からの水分蒸発で、葉と葉のあいだに存在する空気の熱を奪っているからです。

そして、木の内部と周囲の空気のあいだに発生した温度差により対流が生じ、この対流が葉のあいだへと空気を誘引し、これが暖かい日(特に夏など)には、必ず樹木の下に流れ込む微風を発生させます。
このように、日陰、蒸発、対流の組み合わせによって、木の下の温度は約4〜5℃ぐらいまで下がり、涼しく感じるのです。

端的に言うと、同じ庭に芝生だけを植えた場合と、大木を2〜3本植え周りに草花を植えた庭では、後者のほうがより水やりの必要が少なく、涼しい環境を創り出します。
その際、植物の選択や植える場所によっても、必要とされる水の量は大きく変わってきます。

庭の用途や好みだけでなく、基本的な知識を持って庭の配置を決めていくことが重要です。
これが、資源エネルギーを活用した空間になるのです。

『資源エネルギーとランドスケーピング』(学芸出版社)より抜粋
効果的な水やりのコツ
庭に植えられた樹木や草花の水やりは、効果的に与えることで、全体的な水の使用量を抑えることになります。

気温の高い日中の水やりは、水温が上がるために植物には良くありません。朝夕の涼しいとき与えます。
日照りがつづき乾燥が激しいときは朝夕2回程度撒きます。

さらに葉や、鉢植えならば鉢の回りにも撒くと温度が下がり、湿度もたもてます。鉢の場合は、鉢の上部に水がたまり、鉢底から流れるまでたっぷりとあげます。
こうすると、鉢内の空気が押し出されて新鮮な空気と入れ替わり、温度も下がります。

必要な時に必要な量をしっかり与えるのがコツです。
正しく植えれば空調費用も節約可能!
このゼリスケープとは、樹木、草花の正しい選択、そして水、気候環境を理解するということから、生まれた考え方です。

樹木類や草花を正しく使うことで、夏の日陰をつくり水を無駄にしない緑の空間を創れます。
植物の選択によって、少なくとも3本(5m前後)の樹木を植えただけで10〜50%の空調費用を節約することができるのです。

より手間やお金をかけず、資源を無駄にしない健康的な庭づくりはこれからの大切なキーワードです。
バックナンバー
監修:小出 兼久
(株)ランド・ジャパンデザイン事務所
URL:http://www.t3.rim.or.jp/~land_jpn
環境とエネルギーの節約を考えた
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