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“緑のある暮らし”フォーラム
第22回 炭と木酢液でガーデニング バックナンバー
花や野菜をつくるには土づくりがかかせません。
炭は昔からある素材ですが、今室内外の環境をよくするものをして多く取り入れられはじめています。炭のしくみと特色を知って健康な庭づくりに活かしてみましょう。
炭とは
植物からできる炭を土に返すと、土によい影響を与え植物が元気に育つようになります。木や竹などの植物は、そのままでも土に埋めると腐り、微生物により分解されますが、炭にすることで特別な効果を発揮するのです。
それでは、炭とはどういうものなのかみてみましょう。

炭は木に火を付けて燃やすと、後にはわすかな灰だけが残ります。しかし、密閉して熱を加えると、酸素がないために、木から水分やガスが抜けて、黒い炭素の固形が残ります。これが炭です。
●炭の構造

炭は、木と同様に、縦にも横にも通じる細いパイプを束ねたような組織構造になっており、断面を電子顕微鏡で拡大すると、蜂の巣のように、網目状になっているのがわかります。これが多孔質と呼ばれる構造です。この孔の中に、特に細菌や放線菌など通常ではあまり増えない多種の微生物が共生できるようになり、それが土壌の中の植物の根の生長を促進したり、水、空気の浄化がされたりといった効果をもたらすのです。

また、一般的な炭のpHは8〜9のアルカリ性です。(低温で焼いた場合は酸性になる)これが、日本独自の酸性土壌の改良や、酸性雨対策になり、土壌環境をよくするのです。
●炭で地球温暖化防止

炭は土壌環境をよくするのだけではありません。通常、木材を燃やすとほとんど炭酸ガス(CO2)と水になります。また木材を地中に埋めても、微生物に分解されメタンガスを発生します。これらの炭酸ガスやメタンガスは地球温暖化の大きな原因といわれています。

しかし、木材を炭にやくと木材の中の炭素を固定するので、これらの地球温暖化ガスの増加を防ぐのです。間伐材や廃材の処理方法としては、最も環境に配慮した活用法といえます。
炭を燃やすと同様に炭酸ガスは発生しますが、最終的に土壌に埋めることで、土と大気と両方をよくすることができるのです。
●炭の種類

炭とひとくちに言っても、炭の性質は、材料の種類や焼かれる温度によって変わり、それに応じて使われる用途も変わってきます。
分 類 焼成温度による違い 表面積
くん炭
400℃程度
黒炭
600℃程度
白炭
800℃以上
材種 広葉樹 キャンプ用
レジャー用
マングローブ炭
燃料用 飲料水浄化
炊飯用
高級燃料
備長炭
狭い
針葉樹 油の吸着剤 農業土壌改良
アンモニア吸収
酸性土壌改良
調湿材
化学物質吸着
水質浄化
αカーボン
広い
竹材 農業用土壌改良材 飲料水浄化
炊飯用
調湿材
高温竹炭
広い

固定炭素 50% ←→ 90%以上
見た目
もろい
音がさくさく
←→ つやがある
金属音
PH 酸性 ←→ アルカリ性
比表面積 1m2/g 500℃から大きくなる。
広葉樹と針葉樹では、広葉樹の炭は壁が厚く、火持ちが良い炭となり、燃料用に適し、針葉樹の炭は壁の厚さが薄くもろいが、より多孔質なため臭いや水分を多く吸収します。

一般に木炭1g当たりの表面積は、

備長炭(白炭)<広葉樹炭<竹炭<針葉樹炭<活性炭
の順になります。

万能のようにいわれる備長炭のような表面積の少ない炭は、実は吸着の効果はあまりないのです。炭の性質を見きわめて活用するようにしましょう。
炭の効果

1. 遠赤外線
炭には遠赤外線の中でも特に別名「生育光線」と呼ばれる遠赤外線を出す能力があります。
それは生物に吸収されやすく、人間にとっては暖房、調理、健康器具などに用いられる他、農業用として地温の上昇や、発芽率・生育の向上等の効果があります。
2. 蓄 熱
炭素自体は、元々熱を良く通す性質があり、更に炭には空気層が含まれているために、伝えられた熱を蓄えます。
3. 調 湿
温度が高いときには湿気を吸収し、空気が乾燥している時には水分を放出します。
また炭の断熱効果により内装建材に用いると床壁面の温度変化をなくし、結露を防ぐ効果がある。
4. 吸着・浄化
多孔質の性質により、臭いや野菜などが腐敗の際発するエチレンガスや、ホルムアルデヒドなどのシックハウスの原因となるなど化学物質も吸収する働きがあります。
炭で土づくり
炭を土に混ぜることで、発根が促進され細毛根が多くなり、肥料切れがおこらず、草姿が丈夫に育ち収穫量が多くなるといわれています。

使用方法は、くん炭などくだけやすい炭を土に1〜2%ほど混ぜます。炭の種類によってpHが変わるので、あくまで目安として調整してください。
土づくりへの効果

透水性、保水性、保肥性、通気性の改善
多孔質の性質により、水や肥料、空気を蓄え、また必要に応じてはきだす役割をします。

pHの調整・微量要素の補給
酸性にかたよった土を補正するには、pHを測りながら炭を加えていきます。また、炭はもともと植物が持っているマンガンなどの微量要素が含まれているので、それをそのまま土に返すことができるのです。

微生物の働きによる団粒構造の促進

堆肥の熟成の促進
木酢液
もうひとつ忘れてはならないのが、木酢液です。
木酢液とは、炭の生成過程で出る煙を冷却して収集したもので、炭とは反対の酸性です。その成分は、10〜20%は主に酢酸で残りは水分です。木酢液は植物の生長を促進したり、また害虫を防いだりカビなどの微生物を発生しにくくする性質があるので、特に有機栽培によく使われるようになりました。
花や野菜を元気にするには

使い方:300倍〜1000倍に薄めた木酢液を花や野菜の葉っぱ、茎、根元に撒布します。いきなり濃いものを使わないではじめは1000倍(1リットルのペットボトルに木酢液一滴をたらしたもの)くらいから始めて、だんだん濃くして植物を木酢液に慣らして下さい。

効き目:病気にかかりにくくなり、葉も厚くなって花や野菜が健康に育ちます。もちろん野菜はおいしくなります。

虫除けには

使い方:100倍くらいに薄めたものを葉や茎にスプレーで撒布します。
ムカデ、ナメクジ、蛾、ヤスデなどにも効果的。大きな虫には薄めないほうが効ききます。

注意:すでに虫がたくさんついた植物にはあまり効果がありません。虫がつく前に使います。
また、虫は逃げるだけで死んでしまうわけではないので,こまめに撒布して下さい。

木酢液を使う際は、濁った木酢液は絶対に使わないようにします。植物が枯れてしまうこともあります。
最近は室内でもよく使われる炭ですが、健康な庭づくり、地球づくりのためにもっと活用したいものです。また、炭は山村の炭窯でやくものだけではなく、庭先で穴を掘ったりドラム缶をを使ってもやくことができます。

広さや近所への煙の配慮などがいりますが、興味のある方は下記のサイトを見て、チャレンジしてみてください。

国際炭やき協力会
http://www.sumiyaki.jp/01mori/index.htm
より健康な庭と地球のために、室内だけでなく炭をガーデンに活かしてみましょう。
次回は、「今注目のグラスガーデン」をお届けします。
バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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