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“緑のある暮らし”フォーラム
第23回 今注目のグラスガーデン バックナンバー
オーナメンタルグラスという言葉をご存知ですか。芝など刈り込むものと違って、ススキやイネなどの草類を庭でそよがせ、庭のなかに動きや風をとりこむオーナメンタルグラスガーデンが、今注目を浴びています。
オーナメンタルグラスとは
オーナメンタルグラスとは、直訳すると「鑑賞価値のある草」ということになります。かつては、庭にグラス(草類)が主役ということはほとんどありませんでした。せいぜい刈り込まれた芝生くらいの認識しかなかったものが、色やかたちが豊富にあり、栽培しやすく個性的で人目をひくことから、今では欧米のガーデン雑誌を見るとグラス類の載っていないものはないほどになりました。多くの種類が日本でも入手できるようになりました。

ひとくちにオーナメンタルグラスといっても、植物学上の分類はさまざまで、たくさんの種類が存在し、生命の強い息吹を感じる鮮やかな緑色、枯れてしまったような枯草色、シャープなシルバーやシックな銅色や茶褐色、ススキのように幅広の葉から、糸や針のように細いものまで、一度はまったら抜け出せない魅力を、グラスは持っています。

育成条件としては全般的に日当たりの良い場所を好みますが、耐湿性・耐潮性・耐乾性などに優れた品種とさまざまで利用の範囲は広く、丈夫で病気も虫害も少なく、放置したままでものびのびと育つ低管理植物です。
花壇のアクセントや縁植え用として、また、広い面積でのグランドカバー的な利用が可能です。

葉色はもちろん、穂の形や色、成長度合い(大型・小型)、開花時期、耐陰性もさまざまで、それぞれの庭にあった植物を選ぶのがポイントです。
日本で入手しやすい主なグラスの種類
日本で入手しやすい主なグラスの種類を紹介します。
◆ススキ

イネ科の大きな多年草で、通常よく野山で見かけられるススキの他、葉に白のタテシマの入った「シマススキ」や、横に白い線が入った「タカノハススキ」など地植えすると大型の立派な株になります。

また、やや小型の「イトススキ」や「ヤクシマススキ」は鉢植えにも向き、いずれも日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。とても丈夫で手間が要りません。

日本固来の植物ですが、組み合わせでダイナミックで洒落たグラスガーデンを演出してくれます。

ススキ
Miacnthus sinensis


タカノハススキ
Miacnthus sinensis'Zebrinus'

◆パンパスグラス

南アフリカ原産の、イネ科の多年草です。大きな株に、まるで天使の羽根のような白い花序が風に揺れる姿はとても見事で庭のフォーカルポイントになります。草丈は1〜3m、花序は大きなものでは80cmにもなります。

ピンクの花のものや小型のものも最近では見るようになりました。雌雄異株で、雌株の方が見事な穂をつけます。

葉が鋭く、手足を傷つけやすいので、あまり人が通るところを避け、幅も広く取れるところに植えましょう。

広さと奥行きのある所でこそ生きるグラスの中心的存在といえる植物です。

パンパスグラス
Cortaderia selloava
(2〜3mにもなります)


ミニパンパスグラス
Cortaderia selloava 'Pumila'
(草丈1mくらい)

◆ぺンニセツム

イネ科の多年草。ねこじゃらし状の花穂をつけ、あまり大型ではないので花壇のよいアクセントになります。排水性の良い用土を好み、耐寒性はあまりありません。

ぺンニセツム セタケウム ルブラムは、赤みを帯びた葉と花穂が印象的で、茎は1m以上になります。性質は強健ですが、やや寒さに弱く、凍らせない程度の保護が必要です。

ギンギツネは、白く羽毛状で柔らかく優しい感じ花穂で、草丈も60cmと扱いやすく人気があります。

 秋の紅葉から冬の枯れた姿もなかなか美しく、やや寒さに弱いので、本来多年草ですが一年草扱いです。

ぺンニセツム
セタケウム ルブラム

Pennisetum
setaceum rubrum


ギンギツネ
Pennisetum villosum

◆フェスツカ

イネ科の多年草で、乾燥に強く、荒地でも丈夫に育ちます。

日当たりを好み、灰青色の葉がとても美しく、背丈も20〜30cm位なので、ロックガーデンや花壇の縁取りにも向きます。

常緑なので、枯れた穂を刈り取り、新芽を出してあげると美しさが保たれます。

フェスツカ グラウカ
Festuca 'Glauca'

◆カレックス

カヤツリグサ科の常緑多年草。笹のような葉が密に茂り、しかもコンパクトなので、ガーデンの脇役として重宝な品種です。寄せ植えにも最適で、カレックス同士、いろいろ組み合わせるとよいでしょう。背丈は30cm程。日当りから半日陰ぐらいを好み、下草として大活躍します。

ほとんどの種は葉が根出して細長く、中でも葉が細く葉色の美しい種類が、カラーリーフプランツとして最近は寄せ植えなどで広く使われるようになりました。ブロンズ (C.comans 'Bronz')、エバーゴールド(C. oshimensis 'Evergold')、オーレア(C.elata 'Aurea')など多数の園芸品種があります。

常緑なので、一年を通してグラスを楽しむには最適です。

カレックス
オシメンシス
エバーゴールド
Carex oshimensis 'Evergold'


カレックス ブロンズ
Carex comans 'Bronz

◆パピルス

カレックスと同じカヤツリグサ科でも、水辺を好む湿地性常緑性多年草。
古代エジプトで本種から紙を製造したのが有名で、紙の語源となったパピルスが学名になっています。ウォーターガーデンのポイントに最適です。

この他にシュロガヤツリ、コシュロガヤツリ、フイリシュロガヤツリなどの種類も出回っています。

パピルス
Cyperus papyrus

◆ベニチガヤ

イネ科の多年草。葉先や葉鞘が鮮明な赤紫色で美しい。

コンテナガーデンや寄せ植えなどに使えば和風の雰囲気が出るので、最近よく使われます。

性質は強健。排水性よく、保水性の優れた用土でやや湿り気がある状態を好みます。

ベニチガヤ
Imperata cylindrica 'Rubra'

◆フウチソウ

イネ科の落葉多年草。日本発で世界中に広がっているグラスの一つです。

日本では鉢物、寄せ植え用としても使われるが、欧米ではその色とほどよいボリュームが庭に一貫性を持たせるための材料として多用されています。

乾燥にはやや弱く半日陰を好みます。

フウチソウ
Hakonechloa macra 'Aurea'

◆コバンソウ

イネ科の一年草。小判のような小穂が可愛いヨーロッパ原産の帰化植物で、日本でも雑草化しています。コバンソウは、草丈40〜60cm、はじめは緑色をしていますが、熟すると黄緑色になり、切り花やドライフラワーにも使われます。

矮性のヒメコバンソウは、草丈20cmと低く、小穂は三角状卵形、やや小型で緑色、主に鉢花にされます。

性質は強健でこぼれ種でも毎年よく育ちます。

コバンソウ
Briza maxima
その他、イネ科やカヤツリグサ科だけでなく、ユリ科のリュウノヒゲやリュウゼツラン科のニューサイラン、リュウゼツランなど、その葉の形態からオーナメンタルグラスと見なして植栽計画を立てていくと、より一層バリエーションが広がります。
グラスのミックスボーダーガーデン
グラスには上記のように、様々な高さ、形、色があるので、グラスだけでボーダーをつくることも可能ですが、花や樹木と組み合わせても引き立ちます。一度植えてしまえばとても丈夫なので、管理も楽です。大株を作るつもりで、ガーデンデザインを計画してみると立体的で、奥行き感のある庭になります。

その場合は、幾種類か奇数個ずつまとめて配置するようにします。大きなグラスは一つでもかまわないので、それを引き立てるように配置をしていきます。一番大切なことは形・輪郭がわかるように配置すること、そして少し重なり合ったほうが美しさが引き立ちます。庭の中でグラス類は、庭全体の植栽に連続性と前後関係をつくり、異なる植物同士をつなげていくことができるのです。ですから、多種類のグラスをあちこちに植えるのではなく、あなたの感性にあったグラスを選び、それを庭をつなぐように配置していくと効果的です。

ミックスボーダーに向く種類は、くさむら状で侵略性のある横に広がっていくものより、葉が王冠状に広がる種類のほうがゆっくりと生長し、大きくなりすぎたら株分けをすれば大丈夫です。
都会で楽しむグラスガーデン
広大な土地なら、とにかく大型に育ち、大迫力の穂をつける品種が多く使用されていますが、厳しい住宅事情の限られたスペースでガーデンニングを楽しむ日本では、なかなか難しいのが現実です。

しかし、小型のものや成長の遅いものを選んで組み合わせれば、充分にグラスガーデンを楽しむことができます。コンテナで栽培すれば、長い間コンパクトな草姿を楽しむことが出来ますし。季節の花との葉色や草丈を組み合わせで庭の表情を変えることが出来ます。

また限られた土地で旺盛に育つという点からいうと、屋上ガーデンでも活用できます。水やりもあまり必要としないことから、芝生などよりももっと活用されていくことが期待されます。

グラス類は、最近は一般的な園芸店でも売られるようになってきましたが、昔からある山野草の店や通信販売でもマニアックなものが入手できます。あなたのお気に入りのグラス類を見つけてみましょう。
バックナンバー
監修:小出 兼久
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URL:http://xeriscape-jp.org
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