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“緑のある暮らし”フォーラム
第24回 水辺のガーデン バックナンバー
近年ウォーターガーデンの人気が出てきています。それは、水が生き生きとした生命観とともに、静かで落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるからでしょう。
豊富な水生植物とともに、生活に水辺を取り入れて、涼しさを感じるガーデンを演出してみましょう。
水のある庭の効果
水による演出は、ドラマティックなアクセントとしてよく使われます。太陽の輝きや周囲の風景を鏡のように映し出す水のコントラストは、小さな庭でも効果的なアクセントとなります。変化に富み、広さを効果的に使えることも、水を使った庭の特徴のひとつです。

また打ち水の効果に見られるように、蒸散の気化熱によって実際に周囲の気温を下げる効果もあります。雨水や汚染の少ない生活排水を利用して、水資源を有効活用しながら庭に潤いと涼しさを与える工夫もできます。

簡単な池をつくったり、壁面に水を流し循環させるなど、流れを楽しめるデザインに挑戦したり、あるいは、ベランダに水鉢を置いたり、水の漏れない器を地中に埋めたりするだけでも、十分ウォーターガーデンが楽しめます。

ひとつの風景をつくるつもりで、デザインしてみましょう。
ボウフラなどの対策にメダカや金魚を入れるとより楽しめます。
魅力的な水生植物の数々
水を引き立てるのは、やはり水生植物です。
水生植物ではスイレンやハスなどがよく知られ、見事な花が楽しめますが、その他にも水辺から出る茎や水中や水面の葉など、さまざまな表情を楽しめる植物がたくさんあります。
水辺の植物といっても、水の中でどのように育つか、その生育条件は様々です。まずは植えたい場所がどうような条件か見極め、そこに合う植物の草姿を考えて選びます。

湿性植物
湿地を好む植物で、常に根が水につかっていない状態でも生育でき、また腰水程度の水につかっていても生育できるものも多いものをいいます。池の縁取りに向きます。
ミソハギ (ミソハギ科) Lythrum anceps
多年草で高さ1m程度になり、夏に花は紅紫色の花が咲きます。ミソハギの花は、そのまま生か、軽く熱湯を通してサラダなどにして食べることもできます。

ミソハギ


イグサ


ザゼンソウ
イグサ (イグサ科) Juncus effusus
冬の寒さに強い常緑の多年草。高さ60cm程度になり、畳表に加工されるものですが、鑑賞用の矮性品種や螺旋状に茎が曲がるラセンイもあります。
サワギキョウ (キキョウ科) Lobelia sessilifolia
高さ1m程度の多年草。夏に青紫の美しい花が咲く。
ザゼンソウ (サトイモ科)
Symplocarpus foetidus var. latissimus
多年草。別名を達磨草ともいい、僧が座禅している姿に見立ててこの名がある。高さは20cm程度で、春に咲くミズバショウに似た仏縁包の赤紫〜茶色花が個性的です。

その他にパピルス、シュロガヤツリ、
花ショウブ、アシ、ミズトラノオ、水生カンナなど

抽水植物
根が水底にあり、下半分が水中、上半分は水面から出て生育する植物です。
オモダカ (オモダカ科) Sagittaria trifolia
多年草。よく水田に見られる雑草なだけに、強健で手間がかからりません。葉の形が特徴的で、3弁の可愛らしい白い花を3輪生に付けながら、下の方から順番に咲いてきます。

オモダカ


ガマ


ミズキンバイ
ガマ (ガマ科) Typha latifolia
多年草。高さ1.5m程度に育ち存在感があります。
夏に開花しやや広いところに向きます。
フトイ (カヤツリグサ科 ホタルイ属) 
Scirpus tabernaemontani
高さ1m以上になる大型の多年草。
直線的なラインを生かし、透け感を持たせると活きます。
ミズキンバイ (アカバナ科) Ludwigia stipulacea
多年草。高さ50cm程度。夏に黄色の直径2〜3cm花が楽しめます。一日花ですが次々に咲かせてくれます。

その他にカキツバタ、ミズバショウ、クワイ、クレソンなど

浮葉植物
スイレンやハスに代表されるような、根は水底の土にあり、水面に葉を浮かべて花は水面で咲き、目立つものが多いです。ほとんどが球根や地下茎を持ち、養分を蓄え、冬場や乾燥期を乗り切ります。
コウホネ (スイレン科) Nuphar japonicum
池や沼、小川などのやや浅い水中に生える多年草。名前に由来は、太くて白い地下茎を骨に見立てられたことによります。長い花柄を水面より長く伸ばし、黄色の花を1個ずつつけ、花が終わると緑色になります。

コウホネ


ウォーターポピー
アサザ (ミツガシワ科) Nymphoides peltata
多年草。葉は長い柄があって、水面に浮かび、6〜8月に鮮黄色の花が日中開き、夕方には閉じます。
ウォーターポピー (ハナイ科) Hydrocleys nymphoides
南米原産で、葉はスイレンに似ていますが、睡蓮よりは遙かに小さく楕円形なのが特徴で、薄黄色の3弁の花が咲きます。寒さに弱いので、冬は室内にて越冬させます。
ジュンサイ (スイレン科) Brasenia schreberi
多年草で、粘液に包まれているジュンサイの若芽は食用になります。

その他にヒメスイレン、ハス、コインウォーター、など

沈水植物
水底の土に根を下ろし、全体が水中で生育するもの。
魚などと一緒にガラスの器で育てると美しさが堪能できます。
オオフサモ (アリノトウグサ科) Myriophyllum brasiliense
強健で育てやすい多年生の水生植物。
花は目立たないがそれ以上に美しい若芽が魅力です。

オオフサモ
ミズオオバコ (トチカガミ科) Ottelia japonica
暖地性一年草。葉は叢生し紫褐緑色、夏〜秋にかけて葉の間から長い茎を出して水面上に径3p位の大きな白い花を咲かせます。

ミズオオバコ
その他にキンギョモ、フサモ、エビモ、ヤナギモなど

浮遊植物
根は土につかず、水中に浮かんだまま生育するものをいいます。
水中の栄養分を吸収して生長し、一般的に繁殖力が強く、よく増えます。
ホテイアオイ (ミズアオイ科) Eichhornia crassipes
日本を代表する浮き草で、とても育てやすく夏にさわやかな花を見せるのでおなじみです。別名ウォーター・ヒヤシンスといいます。

ホテイアオイ


サルビニア
ボタンウキクサ (サトイモ科) Pistia Stratiotes
熱帯アフリカ原産の多年草で、これもホテイアオイのように繁殖力が強いです。中心部に白色の小さな花をつけ、一般的には、ウォーターレタスと呼ばれています。
サルビニア (サンショウモ科) Salvinia
多年草で筒状に葉が丸まった形が特徴的です。耐寒性は弱いが、高温期には屋外の池などで、直射日光のもとで栽培するとどんどん殖えます。サルビニア・ククラタcucullata、サルビニア・モレスタmolestaなど様々な品種があります。

その他にトチカガミ、ドワーフ・アマゾン・フロッグビット、
フィランタス・フルイタンス、タヌキモ、イトタヌキモなど
池をつくる場所選び
簡単な池をつくる場合、場所選びは重要です。池はどこにつくってもよいわけではありません。ほとんどが日当たりを好む水生植物のためには、特にスイレンなどの花を楽しみたい場合、1日6時間は日が当たる場所が望ましいと言えます。

また池の周囲に落葉樹を植えないようにすることも必要です。
落ちた葉が水底に溜まり、池そのものに問題が生じることもあります。

水を使う場合、庭の敷地面積によっては、無理な計画はできません。
池を大げさに考えないように、水生植物や水辺の植物の特徴を生かして、小川や水路のようなデザインにすることもできます。
全体のバランスを考えた植物の組み合わせ
いくら水生植物が好きでも、水面が見えないほどびっしりと植えてしまっては、水の効果も半減です。特に夏場は生育が旺盛なので、増えすぎたら整理することも必要です。やはり日頃から目を配り、手入れを心がけることも大切です。

● プラン1

人工的な川の流れや石を使う時は、石の表面の表情を生かしたシンプルなデザインを考えます。

石を置く場所や流れを効果的に見せるために、植物や大小の石でタッチをつけます。グラス類やアジュガなどのグラウンドカバーが似合います。

● プラン2

はっきりとした目的を持った鏡の役割を果たしているのが、この写真の池です。

昼間の太陽や夜の月が映るように方位が計算され、池の水がもう一つの風景をつくるようにしてあります。

池の縁を飾る草花も同様に、ひとつの風景を考え細かく演出されています。シンプルな形を生かすために、池を囲む床面の素材や全体のバランスにも気を遣っています。

● プラン3

古い樽に水を入れた小さなウォーターガーデンです。

器が見える場合は、庭全体の雰囲気にあうような自然に見えるもの選ぶのがポイントです。欲張ってあまり植えすぎないよう、水と植物のバランスに注意します。まわりの非湿地性植物となじませることで、より自然な感じがでます。


暑さをひととき忘れさせてくれるウォーターガーデン、是非お気に入りの植物を見つけて涼しさを呼び込んでみましょう。
・・・次回は、建物を涼しくする壁面緑化についてお届けします。
バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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