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今年の夏は地域によっては渇水に困り、また一方で集中豪雨が頻繁に起こった地域もありました。日本のモンスーン気候(湿潤温暖気候)では、地球温暖化によって今後も降雨が増えると予測されていますが、それでも都市の乾燥化は進んでいます。この理由は、土よりも舗装面積が多く、沢山の雨が降っても大地に浸み通ることなく、下水管から河川に流出してしまうこと、都市の中心に熱がこもり乾燥しやすいことが挙げられます。屋上緑化や鉢花ならばなおのこと、乾燥しやすい環境にあります。これから秋、冬とより乾燥する季節を迎えて、もしかしたら今まではあまりしなかった冬の時期の水やりも必要となってくるかもしれません。
今回は、「乾燥」について取り上げます。乾燥に強い植物を知り、それを上手に活用することについてお話しします。 |


タイムには葉色や花色、そして高さも様々な 種類がある。乾燥に強く、土厚さが少ししか とれない植栽スペースにも向いている。 |
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植物体の大部分は水が占めています。この水が減ると生長に影響がでて、しおれたり、ひどいときには枯れてしまいます。これを防ぐには、植物の根を広く深く成長させること、そのためには回数の少ないたっぷりとした水やりが大事です。しかし例えば、芝生ひとつを取ってみても、厳密には品種によって乾燥に対する耐性は大きく異なります。
例えば、バミューダグラスは、ケンタッキーブルーグラスよりも乾燥に強いです。またベントグラスは、乾燥には強いのですが夏の過湿には弱いです。日本の気候に合っているのは、ノシバ、コウライシバなどで、これらは夏の湿潤と冬の乾燥に比較的強い性質があります。
アメリカ・コロラド州最大手の植物生産業者の畑には、渇水に備えて、 幾つかの植物を選び、耐乾性の実験を行っている。
芝生ではピンとこない方もいるかと思いますが、例えば同じペチュニアでも品種によって耐乾燥性も異なるということなのです。
アメリカでは耐乾性の研究が盛んになってきましたが、日本では園芸品種を増やすことには熱心でも、個々の性質がどのくらい違うのかについては、まだまだ情報開示が足りません。今後はこうした情報も、苗に添えて出すことが必要と思われますし、また消費者の側も愛好家の間などで栽培データのやりとりを活発にする必要があるのではないかと思います。
話が幾分それましたが、降雨や乾燥という気候変化による水の増減が注目される中、新しい指標として「耐乾性」にもっと注目をしていくべきだと思います。 |
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どのような植物に耐乾性があるのでしょうか。個々の細かい品種までは覚えきれなくても、おおよそ耐乾性のあるなしを見分ける手がかりはないものでしょうか?その答えを幾つか示します。
- 【原産地から判断する】
- 一般に、アフリカやオーストラリア、地中海沿岸など、乾燥した地域を原産地とする植物は乾燥に強いです。つまり、ある植物の原産地を知っていれば、耐乾性の強弱がある程度推測できることになります。
- 【外見から判断する】
- また、植物の外見から判断する方法もあります。植物の外見が次のようなものであれば、それは耐乾性植物であると推測されます。
- これについてもう少し詳しく説明しましょう。
1.有 毛
- 葉や茎の外見が灰緑色や白っぽい植物は耐乾性植物です。これらは、本当に灰色の葉や茎を持っているのではなく、よく見ると体の表面が無数の細かい毛で覆われていることがわかります。
上の写真(1.有 毛)のうち一番下の葉はそれが本当は緑であることを示すために、水につけられたものです。この毛は、植物の体を風(急な乾燥)や太陽(熱と乾燥)から守る役目を果たしています。毛の色が白いので光を反射するのです。
ハーブ類には有毛植物が多くあります。そのほとんどが暑く乾いた気候の地中海沿岸に自生するものです。また、ポピーのように外見は緑のままで、毛に覆われている耐乾性植物もあります。
2.多 肉
- 多肉植物とは、サボテンなど、厚い多肉質の葉や茎をもつ植物です。この植物は、体内に水を蓄える機能を持っていて、給水がないときにはそれを使ってしのいでいます。干ばつが続くとしわしわになり、一見枯れて見えますが、ひとたび水がたっぷり与えられると、瞬く間に元にもどります。
このグループは、サボテンの他に、センペルビブム、セダム、ユッカ、アロエなどが含まれ、サボテンは水をその厚い体に貯蔵するだけでなく、ちくちくした棘で熱をそらしています。
また、このグループにはCAM植物と呼ばれる植物が多く含まれます。これは、乾燥地に多く見られる植物で、夜間に気孔を開いて蒸散を行い、入れ替わりに二酸化炭素を吸収してそれをリンゴ酸にして蓄えておき、日中は気孔を閉じ蒸散を止めて乾燥を防ぐと共に、蓄えていたリンゴ酸を二酸化炭素に変換して使用し光合成をするという性質をもつ植物です。
セダムはCAM植物です。CAM植物の蒸散効果は他の植物よりも低いですが、日中でも大気に湿度が十分にあるときは蒸散します。また、地表をセダムで覆えば、裸地や舗装面よりも地表面や周囲の温度が下がるのは確かなことです。従って、セダムは屋上緑化にも大変有用な植物なのです。
- 【精油を生成する】
植物の中には、芳香性の葉をもつものもあります。芳香性の葉には揮発性の油が含まれており、これが気化する際に(そこで香りが生じるのですが)植物のまわりに保護する霞(かすみ)を生成し、植物が湿気を保持するのを助けています。ユーカリなど地中海沿岸に生息するハーブ類には、精油を生成するものが数多くあります。
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ハーブ類には耐乾性のものが多くあることが分かります。もちろんこれは一つの目安であり、この他にも多くの植物に耐乾性があります。 耐乾性植物の栽培では、もし雨や灌水で沢山の給水をしたとしても、団粒構造をもち水はけのよい土壌であれば、まず問題はありません。
しかし中には、日本の気候では侵略的になるものがあります。それは地域によっても異なり、また育ててみないとわかりません。植栽後、もし特定の種が他の植物を駆逐するような勢いで成長するようであれば、こまめに間引いて減らすようにしてください。
<耐乾性植物の一例>

 コトネアスター 低木 |
 セイヨウニンジンボク 低木 |
 フジ つる性植物 |
 スイカズラ つる性植物 |
 パンパスグラス (写真は矮性種) グラス類 |
 ファウンテングラス グラス類 |
 左からエオニウムとセダム"オータムジョイ" グランドカバー類 |
 ラムズイヤー グランドカバー類 |
 ブラキコメ 宿根草 |
 マーガレット 宿根草 |
 ポピー 一年草 |
 マリーゴールド 一年草 |
 原種系チューリップ 球根 |
 クロッカス 球根 |
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