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木々の葉が色づき、そして散り始めました。紅葉はお花見同様、皆が楽しむ季節の一大イベントでありますが、出先で眺めるのは好きだけれど、落ち葉掃きはやっかいだと感じる人も多いことでしょう。行政の中には、落ち葉の時期になる前に、樹木を丸裸に剪定してしまうところもあると聞きます。
確かに、処分した落ち葉はただのゴミになってしまいます。しかし、落ち葉を自然からの恵みと考えて堆肥づくりをすれば、園芸的な恩恵を得られるだけでなく、省資源や環境保護にも大いに貢献することになります。 |
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庭作業をしていると分かりますが、庭や緑地からは毎年沢山のゴミが発生します。落ち葉、芝生の刈り取った草(刈草)、剪定枝、枯れた植物、雑草などが、庭から出るゴミとして回収され処分されています。緑は成長しているので、どうしてもこうしたものが出るのですが、よくよく考えてみれば、緑のゴミは本当の意味では「ゴミ」ではなく、それは、植物がそれまでに土壌から吸収したり光合成によって作った養分が、ぎっしりと詰め込まれた資源といえるのです。
死んだ緑が大地に還元され、豊かな大地が新しい植物を育む、という自然の生態系の営みを、私たちはいつの間にかゴミとして切り離し、やっかいな物としか見なくしてきました。私たちの事務所では、芝の刈草などで堆肥づくりを始めましたが、それだけでいろいろなことを教えてくれます。
緑のゴミを堆肥にリサイクルし、緑地を健全に保つことはとても重要です。皆さんも、まずは庭から堆肥づくりを考えてみたらどうでしょうか。そんなことは分かっているという方は、環境共生が叫ばれるこの時代に、堆肥づくりの意味をあらためて認識してみるのも一案です。 |
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堆肥には次のような利点があります。
・ 植物の病虫害を抑える
・ 化学肥料や農薬の需要を縮小するかゼロにする
・ 農作物の収穫高を上げる
・ 圧密土壌や汚染土壌、不毛な土壌を改良する
簡単にいうと、堆肥は土壌を健康に豊かにするため、そこに育つ植物も健康になります。植物や土壌が健康ならば病害虫の発生も減り、そのための資材や管理手間も減り、やがて大きな実りをもたらすということです。また、ゴミの総量と費用や手間の削減は、環境保全にとっても大きな魅力となります。 |
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すべての有機物は放っておくと自然に分解されて土に還ります。その時間を人為的に短縮したのが堆肥づくりです。材料、成功するポイント、作り方を知ることで、誰もが簡単に堆肥をつくることができます。
- 【材 料】

- ●堆肥材料に適したもの
落ち葉、芝生の刈草、剪定枝(小枝のみ)、野菜や果物クズ、パン、卵の殻、コーヒー・茶のだしがら、ウッドチップ、おがくず、新聞紙、紙、木の灰
●堆肥材料に適さないもの
肉、骨、油脂、乳製品、家畜の糞便、カラーインクの新聞誌や雑誌、木炭の灰、農薬や殺虫剤のまかれた植物、病害虫に感染した植物、プラスチック、ビニール、圧縮合板材のおがくず
- 【成功する堆肥づくり5つのポイント】

・材料混合の比率
緑のゴミは大きく2種類に分けられます。芝の刈草や新鮮な葉のような「緑」の材料と、乾燥した落ち葉やウッドチップ、枝などの「茶」の材料です。「緑」の材料は窒素を多く含み、「茶」の材料は炭素を多く含みます。そしてこの緑と茶を1:2の割合で入れると堆肥化が効率に進み、理想的な堆肥ができあがります。

- ・材料の粒径
材料を細かく切り刻み、微生物が食べられる表面積を増やします。材料が小片になるほど、堆肥化の最適温度を維持でき、均質な堆肥になります。とはいえ、あまりに小さくしすぎると、堆肥の山の通気を妨げてしまうので、注意が必要です。

- ・水分含有率
堆肥に住む微生物は、生存のために適度な水分を必要とします。微生物は水があるから、有機材料の養分にアクセスできるのです。そこで、材料を山にしたら適度に水をかけますが、有機材料は元々ある程度の水分を含んでいるので、給水はそれを見越して少量にします。水分が多すぎると酸素欠乏(嫌気)状態となり、それでも堆肥はできますが、腐敗臭が発生します。

- ・酸素
ウッドチップや細断した新聞紙のようなかさばる材料は通気を良くしてくれます。通気性が確保されている(好気)状態では、嫌気状態よりも分解が速く進み、臭いも少ないので、時々山を切り返してまんべんなく通気させます。

- ・温度
微生物が活動をする最適温度は約54度〜70度。この温度範囲は堆肥化を促進し、病原体や雑草種子を焼き殺します。微生物の活動が堆肥の山の温度を上昇させますが、もし温度が上昇しなければ、嫌気状態となり腐敗が発生します。前の4つの項目を守ることが適温を保つことにつながります。
- 【堆肥づくりの10段階】

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| 1 | 場所を確保する。陰になる排水の良い場所が適している。 |
| 2 | 容器を置く場所の周囲の除草をする。 |
| 3 | 容器を設置する。 |
| 4 | いろいろな種類の緑のゴミを集める。成功の鍵は多様性。 |
| 5 | 落ち葉や剪定ででた直径5mm以上の小枝など、材料は細かく裁断する。 |
| 6 | 材料ごとに層にして堆肥の山をつくる。材料の配分は緑:茶=2:1 |
| 7 | ごく少量の水をかける。 |
| 8 | 堆肥の山はスコップやフォークで月に2、3回かき混ぜる。 |
| 9 | 少なくて2週間、長くて数ヶ月かかる。気温の低い時期には分解速度はやや遅くなるが、黒っぽくぽろぽろと砕けやすく、大地の臭いがするようになれば、出来上がり。 |
| 10 | 底にあったところから使用する。 |
- 【堆肥づくりのQ&A】

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| Q: | 臭くありませんか。 |
| A: | 腐敗臭は通気不十分や過湿により発生します。その場合は、落ち葉や裁断した新聞、おがくずなどの乾燥材料を頂上にのせ、混ぜ合わせます。 |
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| Q: | 分解が進んでいない気がします。 |
| A: | 1)材料の大きさ、2)酸素不足か湿度不足、3)窒素不足、4)気候のせいと考えられます。材料は細かく砕いて使用し、山は定期的に切り返して通気し、乾燥していたら少量の水を足します。それでもだめなら、芝草や新鮮な葉などの「緑」材料を追加します。冬は分解の進みは遅くなりますが、分解を促進したいときには、囲いを付けるか容器に入れます。 |
| | Q: | 昆虫、ムカデ、ナメクジなどを見かけます。 |
| A: | 正常な分解過程が行われている証なのでまったく問題ありません。 |
【さまざまなコンポスト容器】
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土に混ぜたり、地表面にマルチとして広げて利用します。植栽エリアに均一に与えることが重要です。堆肥はどちらかといえば、長期的な成長よりも花壇や鉢花のような短期的な成長への利用が向いていますが、樹木にも利用できます。ただし植え穴だけでなく、植栽地全体に敷いて下さい。敷厚は、3〜5cmほどでいいでしょう。厚すぎても逆効果です。
また、土中の堆肥は、高温・多湿地域ほど分解が速く、数ヶ月から2年で分解されてしまいますので、定期的に新しいものを補充する必要があります。 |
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堆肥は、水や肥料、殺虫剤の需要を減らしたり、環境汚染を浄化するので、市場性のある商品です。従来の園芸的な利用だけでなく、埋立地のマルチや人工土壌改良材にも使え、それまで公には緑のゴミとして処分されていたものを、家庭や施設で堆肥にリサイクルすることで、ゴミ処理や運搬費用を減らし、都市の埋立地の寿命を延ばすという経済的効果もあります。園芸愛好家でなくとも一度くらいは堆肥や腐葉土を購入したことがあるのではないでしょうか。それを家庭や公共の敷地単位で作れば、無駄な支出も減らせるのです。
商機と見て生産をする企業もあれば、節約のために堆肥をつくり始める地域もある・・・そんな一歩を初めてみたらいかがでしょうか。 |
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