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“緑のある暮らし”フォーラム
第43回 室内環境の浄化と植物<後編> バックナンバー
厳しい寒さが続き、室内にこもりがちになりやすい季節です。冷たい風をシャットアウトした暖房の効いた室内は心地よいですが、長く続くと室内空気は思ったよりも汚れているもの。
換気や湿度に注意するのはもちろんですが、さらに室内植物を上手く活用して、室内環境をより健康なものにすることをお勧めします。

室内植物の利用
人が呼吸をするエリアは、およそ0.17-0.23m3といわれます。例えば、50cm x 50 cmx80cmの空間で0.2m3、 1mx1mx20cmで0.2m3ですから、およそこの0.17-0.23m3という空間の大きさの想像がつくと思います。テレビを見たりパソコンに向かったり、あるいは寝ているときにも、私たちはこの範囲でいわば空気を汚しているわけですが、その中に植物が置いてあれば、湿度を加えたり、汚染物質を吸収・吸着したりする植物の活動が、より直接的に私たちに恩恵をもたらしてくれることになります。オフィスや食卓あるいは寝室などに上手く室内植物をあしらうことは、見た目だけでなく他にも益があるわけです。

置く場所のポイント
窓の近くは内部の室温よりも高低の差が激しくなる。極端な温度差にさらさないように防御する。
ファンヒーター、クーラー、暖炉、通風装置や周辺温度が突然変化する場所は避ける。
成功する室内植物のケア
ポイントは次の3つです。
◆ 湿度 ◆

湿度の最適範囲は人間と同じく35〜65%です。湿度は気温と関係し、大気が暖かくなるほど、水分は急速に失われます。室内湿度が低いときには、葉に霧吹きをして植物に湿気を供給すると、植物を健康に保ちます。室内の乾燥が厳しいときには、1日おきに霧吹きします。このとき植物をまとめて置いてあれば、見た目だけでなく便利です。
植物の葉は隣り合わせの植物から水分をもらい保持できる自然の加湿器です。空気が乾燥すればするほど、より多くの水分が蒸散によって空気中に放出されます。とはいえ、その元は根から吸い上げた水分です。ですから鉢土の乾きすぎには注意しましょう。本体を傷めるのはもちろん、蒸散も減ってしまうことになります。

◆ 空気の循環 ◆

植物はかためておき、部屋の中を空気が循環するようにします。空気が循環していないと、植物は病虫害にかかりやすくなります。例えば葉に積もったホコリは、葉茎にある気孔の開閉妨げ、その結果生長がゆっくりしたものになります。これを防ぐには霧吹きもいいのですが、一番良いのはかたくしぼった濡れ雑巾で葉を拭くことです。もし乾いた雑巾やブラシを使うと、空気中にホコリが拡散し逆効果になります。

◆ 光 ◆

植物はみな光を必要としていますが、その量は種類によって異なります。一般に、花の咲くもの、実を結ぶもの、斑いりの植物には、緑の葉を楽しむ植物よりも多くの光が必要です。ひとつの部屋あるいは部屋の一部分でも、光の量は一日を通して変化しています。その中で、サボテンや多肉植物(ユッカ・サキュレント・アナナス)などの乾燥地原産の植物は、一日中直射日光をうけても生育できますが、直射日光にあたりすぎると葉焼けを起こしレースのカーテン越しのような薄明かりを好む室内植物も多いです。

【自然光と人工光】
室内植物は人工光だけでも育てられますが、たいていは窓からの日光を浴びながら、補完的に人工光を受けて育つという環境に置かれています。ちなみに人工光は次の2つが代表的です。

【白熱灯】
白熱球は皆がよく一般に使う電球で、赤色光の放出割合が高く、紫と青の全光量は不十分です。赤色光は植物の花を咲かせるために必要ですが、白熱灯だけを唯一の光源とするのは植物の生育に適さず、太陽光や蛍光灯と組み合わせると、よりよい結果が得られます。

【蛍光灯】
蛍光灯が白熱灯と異なる点は、葉の茂みを育成する青色光を高い割合で放出することです。葉を育てる植物の場合は、原則的に蛍光灯のみを用います。青、紫、赤を放出する調整された蛍光灯もあります。
日照条件
日向から日陰までさまざまな日照条件の中で室内植物を楽しむことができます。ポイントは日陰といっても反射光や間接光や人工光がたっぷりとあることです。
病害虫管理
室内植物に一般的なのは、カイガラムシ、コナカイガラムシ、ハダニ、アブラムシなどです。
これらを防ぐには、まず室内に持ち込む前に、注意深く調べること。次に、植物の好む環境に置くこと、特に通気をよくし、霧吹きや葉を拭くこともかなりの予防策になります。もし害虫を見つけたら、手で取り除ける場合は除き、そうでないときには無毒または毒性の低い殺虫剤を使うようにします。植物原料の殺菌石鹸やアルコールで拭く、ホームメイドの手作り殺虫剤なども有効です。

カイガラムシ ハダニ アブラムシ
[ カイガラムシ ] [ ハダニ ] [ アブラムシ ]
発生しやすい害虫で多くの種類があるが、貝殻に似た殻を被っているものが多い。植物の汁を吸って成長を阻害する。 非常に小さく肉眼では見つけにくい赤みがかった虫。葉や茎について汁を吸い取り、また、蜘蛛の糸のようなもので葉や花を包み成長を妨げる。 非常に種類が多くて1000種類ほどいる。葉や茎の柔らかい部分に群がり、汁を吸って衰弱させる。

もちろん植物だけで室内がすべて浄化され問題が解消するわけではありません。しかし、人間やペットが呼吸で二酸化炭素を排出するだけのときに、植物は呼吸をするだけでなく、酸素もつくり、有害物質を除去し、大気を浄化してくれるのです。
ペットを可愛がるのと同じように愛情を持って、適材適所に植物を上手く配置し育てるという活用してみてはいかがでしょうか。そうすることが、私たちの生活を今よりも少し豊かなものにしてくれるのではないかと思います。

バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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