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“緑のある暮らし”フォーラム
第46回 アレルギーフリーガーデニング 花粉症とガーデニング(2) バックナンバー
スギ花粉症の峠は越えましたが、他の花粉はこれからです。例えば、北海道ではシラカバ花粉症が猛威をふるっています。ただ、これからの時期は、多くの地域で湿度が高くなり雨も多くなるので、花粉が飛散しても症状が緩和されます。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

アレルギーフリーガーデニングの2回目である今回は、ガーデニングと花粉症についてもう少し話を続けます。

花粉症の起こりやすい場所
大きな木や花粉症のカレンダーについては前回ふれましたので、今回はほかの植物について考えます。どんな植物でも花が咲くなら花粉があり、花粉症のアレルゲンとなる可能性があるのですが、やはり大量に飛散しなければ、害にはなりません。
では、あなたの家の周囲を見回して、大きな木以外に大量に花粉を出すものはないか探してみてください。何が見えるでしょうか…。


こうした場所はどれも花粉症の起こりやすい場所です。

イネ科植物や私たちが普通に育てている草花の中にも、花粉症のアレルゲンとなる種類があります。後で少しですが紹介します。アレルギー反応や症状には個人差がありますので、ここで紹介するローアレルギー植物が、100%アレルギーフリーとは保証できませんが、個人の責任の範囲で参考いただけるようお願いいたします。
生垣

プリペットの生垣
生垣に用いた樹木の花粉で花粉症になったり、生垣のそばを通るとくしゃみが止まらない…という経験はありませんか。生垣を作るには、同じ樹木を沢山植えるので、仮にそれがアレルゲンであれば、目もあてられません。
このアレルギーの症状を緩和するには、生垣を1年に1回深く剪定しましょう。これで花の付きが少なくなり、花粉の量を抑えることができます。この方法は特に、古い枝に花の付く性質の木ならばかなりの効果を上げますが、新しい枝に花が付く樹種でも十分有効です。

■生垣に向くローアレルギーの低木
アオキ、アベリア、ガマズミ・ティヌス、コデマリ、コトネアスター、ショウキウツギ、スモークツリー、ツバキ、メギ、ミズキ、ムクゲ

■花粉アレルギーの恐れのある低木
サルココッカ、ツツジ、ツルマサキ、ナワシログミ、ハマヒサカキ、フサスグリ、ブッドレア、プリペット、ボックスウッド、ライラック

生垣は枝や葉が密にからみあっているので、自然と中に花粉(他の植物の花粉も含む)やほこり、胞子をためこんでしまいます。部屋の掃除や布団たたきで咳込むことがあるように、剪定でゆさぶられると内部の花粉やほこりが飛散し、咳き込んだり目がかゆくなる人もいます。
そこで剪定は、原則として花が終わった時期に行い、尚かつ、その作業中は窓を閉め、室内に花粉やほこりなどが入らないようにしましょう。数時間経てば空気も落ち着きます。(花粉の時期でないのに)普段からアレルギーのある人にとっては、時たま生垣を水で洗うのも効果的です。
そして究極の解決策は…生垣はやめてフェンスにすることです。
イネ科花粉症

スズメノカタビラ
えーそういうのもあるの?と思う方もいるかもしれません。
イネ科花粉症の歴史は古く、文献に最初に登場したのは約180年前のヨーロッパのことでした。牧草の干草を扱っている農夫たちが、喘息やくしゃみ、鼻炎などの症状に襲われたので、枯葉熱とも呼ばれます。また、イネ科植物の花粉は、花粉症以外にも喘息の原因ともなります。
被害は、牧草や野生化・帰化した牧草によるものが大きいですが、イネやイネ科の他の雑草による被害もあります。さらにガーデニングの視点からは、芝生やオーナメンタルグラス(装飾的イネ科植物)についても注意を払わなければなりません。

■花粉症の原因となるイネ科雑草

スズメノカタビラ 3月〜5月
スズメノテッポウ 4月〜6月
カモガヤ(牧草・野生化) 5月〜7月
オオアワガエリ(牧草・野生化) 5月〜8月
バヒアグラス(牧草・野生化) 5月〜7月
ペレニアルライグラス(牧草・野生化) 5月〜7月
イタリアンライグラス(牧草・野生化) 5月〜7月
シラゲガヤ 7〜8月
エノコログサ 8月下旬〜9月
ススキ 8月下旬〜9月
芝生
身近にあるイネ科植物は芝生という方もいるでしょう。芝生は通常、定期的に低く刈り込んでおり、西洋芝ならば草丈が低いと花を付けないので安心です。ただし、西洋芝でも暖地型芝生のバヒアグラス、バミューダグラスと、日本でもっとも一般的なコウライシバは、低い草丈でも花を付けるため、その花粉がアレルゲンとなる可能性があります。
しかし、日本ではアメリカほど芝生花粉症は問題になっていません。コウライシバの花の時期が秋口〜春先なのと、芝生に囲まれて多くの時間を過ごすことが少ないせいではないかと思います。心配な方は、コウライシバは8月に肥料を与えると花穂が少なくなることが分かっているので、この時期に施肥をしましょう。
また、メンテナンス不足で伸ばし放題にしたものや土手や法面で野生化した芝草、芝刈りででるほこりがアレルゲンとなる可能性があります。この他、芝刈り機で切断された芝草の切り口からは、クマリンという揮発性物質が放出されますが、これもアレルゲンのひとつとして知られており、これにアレルギー症状を起こす人もいるようです。

芝刈り
芝刈りも生垣の剪定と同じことが言えます。芝生の葉と葉の間には、環境や場所にもよりますが、他の植物の花粉や菌類の胞子、ほこりなどがたまります。また、芝生にアレルゲンの雑草が生えているかもしれません。
芝刈り機でこうした目に見えない混合物を空気中にまきちらすと、芝の花粉はなくとも、アレルギー体質の方に症状をもたらすことがあります。芝生が引き起こすアレルギーの中には、芝の花粉はないはずなのに?という場合も多いのです。

■芝生管理のポイント

・芝生を庭などに作る場合はよく考えてから決める
  1) 芝刈りはマスク+ゴーグルで、またはアレルギーのない人が行う
  2) もし芝草の花が咲いていたら、芝刈りは午後か夕方に行う(芝生の花粉が多く飛ぶのは午前3時〜8時)
  3) 芝刈後は、半日程度、空気が落ち着くのを待つ
  4) 風の強い日の芝刈りや、花粉が多く飛ぶ日の芝刈りは避ける

今、学校の校庭を芝生にすることが増えています。素晴らしいことだと思いますが、一方で、アレルギーを持つ児童もおり、アレルギー体質は他のアレルギーを誘発する可能性もあることから、芝生の管理と管理人や児童の健康への配慮は必要だと思います。芝生の良い面とマイナス面を知り、「上手くつき合う」ことが大事なのではないかと思います。
オーナメンタルグラス

ヒメシマカンスゲ

フウチソウ
一見地味に見えますが、葉の色や穂に特長があり、建物への映りも良く、一度植えたら手間いらず…と、昔は「草」といわれ見向きもされなかった草類が、今では装飾としてランドスケープや庭で多く使われています。
実は、これらのほとんどの花粉はアレルゲンです。しかし、成熟株以外では花穂を付けないか花穂の数が少ないものが多く、また、1株、2株が即だめなわけでもありません。
アレルギー体質の方は、まとまった量の植え込みは避け、また、穂を切り取って室内に飾るのも止めれば良いのではないかと思います。


■代表的なオーナメンタルグラス
ファウンテングラス、クサヨシ、パンパスグラス、
フェスキューグラウカ、カレックス、ススキ、フウチソウ
雑草による花粉症

ハルジオン
他の花粉と異なり、夏から秋にかけて咲く植物が多いです。
雑草の繁茂する場所の多少は、地域によって偏りがあり、近年では被害もそれほど多くないかもしれません。種類としては、キク科の植物が多いです。キク科あるいはひなぎくに似た花をつけるかどうかというのは、例外はありますが、花粉症のアレルゲンかどうか見分ける目安となります。

・キク科(ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ など)
・クワ科(カナムグラ)
・アカザ科(シロザ)
草花によるアレルギーフリーガーデニング

ルドベキア
花壇を作ったり、コンテナの寄せ植えを作ったり…草花は私たちにとって、もっとも身近なガーデニング素材です。しかし、やはりここにも花粉症のアレルゲンとなる種類があります。普通はそれほどの量を扱うわけではないので神経質になる必要はありませんが、花粉症の症状がひどい方や子供、あるいは例えば病院の花壇を作る…などの時と場合によっては、アレルギーフリーについて考慮した計画が必要になります。

大抵の方は、キク科の花粉でやられるようです。また、香りが喘息を誘発することもあります。そこで、キク科の植物や香りのきつい植物は避けたほうが無難です。

■花壇や寄せ植えに向くローアレルギー草花
インパチェンス、キンギョソウ、サルビア、ディアスキア、ナスタチューム、バーベナ、パンジー、ベゴニア、ペチュニア、ロベリア

■花粉症の原因となる草花
アゲラタム、アスター、キンセンカ、コスモス、ソリダコ、ダリア、ヒマワリ、ヒャクニチソウ、ペラルゴニウム、マリーゴールド、ガイラルディア、コレオプシス、ヘレニウム、ルピナス、ルドベキア、ヤロウ

バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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