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第56回 春の種まき バックナンバー
寒い日々が続いていますが、東京では桜もぽつぽつ開花し始めました。冬から続いてパンジーや春の球根が咲き乱れているところもあれば、まだまだ寒いところもあるでしょう。

今回は、そんな中で簡単な種まきの方法をお知らせします。今の時期、地域によっては外にも播けますが、全般的には室内で播いた方が安定すると思います。
ゴールデンウィーク前後の定植を目指して今から始めて見ると良いと思います。
イメージ
種の選択
この時期に蒔ける種を選びます。近くの園芸店で購入した物、なんでも良いと思います。
容器の用意
容器の用意
容器を使って苗を室内や温室で育てる方法ならば、外が少し寒くても始められます。外への定植は霜の危険が去ったころに行いますので、そこから逆算して始めてください。

種を播く容器は、市販の容器を使うかあるいは、プリンやヨーグルトの容器を使うこともできます。その場合は、きれいに洗って底に穴をあけてから使います。
種まきの基本
培地を平らにする 1.培地を平らにする

容器に堆肥または培養土を入れます。このとき塊があると発芽を妨げるので、塊は砕くか取り除いてください。未分解の大きな葉も取り除きます。
そして、用土の表面を平らに馴らします。空のトレイの底を使ったり、厚紙を丸く切ったものを使って用土の表面を平らにし、種の発芽環境を均一することが、均一に発芽をさせる条件となります。(ここで用土の代わりに市販のピート板を使うとその手間を省くことができます)。

培地を湿らせる 2.培地を湿らせる

種まき後に水をやると種が水で流されたり、やりすぎて堆肥がでこぼこになったりしやすいので、あらかじめ用土に水やりをしておきます。
表面を平らに保つよう、ゆっくりと少しずつ湿らせてください。霧吹きを用いてもいいです。

3.種を蒔く

種を蒔く 小さな種は、トレイやポットに均一に播きます。しかし、うっかりするとまとめて重なったままになりがちです。そこで、完全に乾いた手に種を少量だけ載せて、掌を軽く叩きながら振動で少しずつ種が出るようにし、手を移動させながら均一に播いてください。極小の種を播くときには、掌の代わりに使用済みのハガキや封筒のような少し厚めの紙を半分に折ったものを使うともっとやりやすいです。

播き終えたら、そのままで良いものと薄く土をかける(覆土する)ものがあります。一例を載せますが、詳しくは種の袋にある説明書きに従ってください。細かな種は好光性の種子が多いです。

■好光性種子アリッサム、インパチェンス、キンギョソウ、サルビア、トレニア、ナスタチューム、パンジー、ビオラ、ペチュニア、ベゴニア
■嫌光性種子アサガオ、ガザニア、ジニア、スイトピー、デルフィニウム、ニチニチソウ、ニゲラ、フロックス、ワイルドストロベリー

【嫌光性種子】
好光性種子
▲覆土しない好光性種子
発芽に光を必要としない種は、覆土しなくとも、容器を発芽までの間暗く維持すれば良いわけで、覆土しても念を入れて新聞紙でくるんだり、暗所に置くか、ダンボール箱を被せてもいいです。新聞でくるむと蒸発の抑制もできます。
どの方法でも置く場所は発芽適温のやや暖かめのところにしてください。例えば、薄いトレイならばラップを掛けて扉付きのタオルの収納棚に入れてもいいでしょう。毎日芽が出たかチェックし、ほぼ発芽したら、覆いを取り外して暗所から出し、光の当たる場所に置きます。根は自動的に土に潜ります。
この後良い苗に育つのには十分な光が必要なので、くれぐれも忘れないようにしてください。
大きめの種は、育つのに空間が必要なので、プリン等の容器か市販の黒ポットに数粒ずつ播くようにします。割り箸や専用の器具で穴を空け、種を入れて穴を埋め戻します。そうすることで容器移し替えの回数を減らし、移植の際のダメージを最小に抑えることができます。
◆簡易版プラグ苗の作り方:簡易版プラグ苗の作り方

何種類かを少量ずつ作ろうとする人は、種の種類毎にポットを分けるのが理想的で、それも確実に作りたい人には、プラグ苗を作る容器がお勧めです。この容器には、プラスチックのものや器具に用土を詰めて押し出すものがありますが(写真)、もっとも簡単なものは新聞紙で作ることができます。
12〜3センチの長さに切った新聞紙を丸めて直径3センチ位の筒にし、これを幾つか作って黒のポットに立てかけ、中を用土で一杯にします。(右写真)

種を蒔く前にまず用土を濡らし、それから大きめの種を一粒ずつ播きます。芽が出て、本葉が2、3枚になったら、この筒のまま地面や鉢に移植しましょう。やがて根は、湿って腐っていく新聞紙を突き破って伸びるようになります。
種まき後の管理
種まきの後は、発芽に適した環境を保つような管理が必要ですが、ここで大事なのは温度と光です。自然光を十分にあて、通気をよくし、温度は発芽時よりもやや低めを保ちましょう。

【光】
光が不十分だと、青白くひょろひょろした苗に育ってしまいます。また、芽は光の方向に向かって育つので、窓際で育てるときには時々容器を回し、偏った形で育つのを防ぎます。光が十分でないときには、下にアルミホイルを敷きその上に容器を置きます。さらに容器の後ろにもアルミホイルを貼った板を立てて、反射光を上手く利用します。

【水】
発芽を通じて培地が乾燥しきることのないように、常に湿り気けのある用土を保つように、水やりをします。霧吹きで優しく水をあげたり、水を一杯に入れた受け皿をおいて下から水を吸わせる方法が一般的ですが、もっと簡単な方法は、台所用品のラップで、軽く蓋をすることです。光りも通すので好光性の種子にも適用できます。苗床の保水をし、苗を乾燥から護り、温度を一定に保つのに役立ちます。ただ、苗が育ってくるとその生長を圧迫してしまうので、折りをみて取り除いてください。

【温度】
朝晩の高低差が激しいところは避け、温度が一定の場所に置きます。ラップは温度一定にも役立ちます。暖房脇など暖かすぎるところも避けます。
間引きと移植
トレイなどで沢山播いた時には、芽が出たら間引きと移植が必要になります。面倒くさいと思いがちですが、これは良い苗を選抜する絶好の機会です。間引きと移植のストレスを軽減するために、その前後には必ず水をやります。
苗をトレイから掘り起こします。専用の器具があるといいですが、割り箸とピンセットでも代用できます。根の部分と双葉の2カ所を持って支え、まだまだ柔らかい茎や本葉には触らないようにします。用土の入った今よりも大きめの容器を用意します。黒ポットで良いと思います。そこに割り箸などで穴を空け、苗をそっと移植します。まだ苗が小さいので、1つのポットに3〜5つの苗を植えます。植え終わったら、ゆっくりと少しづつ水をやります。水の入った受け皿を下に置き、上部の用土が濡れるまで底面から水をやることもできます。(後、皿の水は取り除きます)

本葉が2〜3枚出たらさらに、各ポットに一つ残すようにして再度移植か間引きをします。さらに、黒ポットの苗が最終的によく見るような大きさになったならば、地面や他の鉢に移植しましょう。ここまで来るのには発芽後最低でも2.5〜3週間かかると思います。
こうして段階段階で植え替えていく育て方は、面倒ではありますが、露地に植える前に苗の体をしっかりと作り、根を発達させるにはとても効果的な方法です。根は直進し、突き当たると曲がる性質なので、幼い苗を小さい器から大きな器にいきなり移植してしまうと、容器の側面だけに根が回ってしまい中央がすかすかの苗ができてしまいます。
小さい容器から少しずつスペースを大きくすることで、根の量が格段に増え、移植にも強い苗ができあがります。ぜひ試してみてください。
床の目地の種まき
床の目地の種まき 直播きについてはここまで述べませんでしたが、例えば石張りした床の目地に種を蒔いてもいいと思います。ここは狭い隙間なので、小さな花の咲く小ぶりな植物が似合います。
また、放っておいても大丈夫な強い性質の種類が適しています。例えば、ビオラ、スィートアリッサム、タイム、矮性カスミソウのジプソフィラ・ムラリスなどが向いています。今春は間に合いませんが秋に小さな球根類と合わせてもいいでしょう。
さらに、敷石が一枚剥がれてしまったといった場合ならば、もう少し大きな植物も可能です。暖地ならばマーガレットがお勧めです。

バックナンバー
監修:小出 兼久
NPO法人 日本ゼリスケープデザイン研究協会
URL:http://xeriscape-jp.org
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