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“緑のある暮らし”フォーラム
第6回 風をデザインする バックナンバー
『自然の・・・太陽の、風の、雨の、夏の、冬の・・・ 言葉では表せないような無邪気さと恩恵。
それらが、あれほどの健康や喜びを永遠に与えてくれるのだ!・・・』
ヘンリー・D・ソロー著「森の生活」より

アメリカ建国以来の自由や平等など異文化の本質を、自然と人間が共存していく生き方と記し、150年以上も多くの人に読み受け継がれている書物の中の一節です。

私たちが“地球”という自然界の中で暮らすためには、その国や地域の生活の中にある気象から学び、そして活用しなければなりません。

今回のテーマである「風」は、時として悪魔のような姿で作物や人間にとって大きな被害を与えますが、一方には風を利用し、風車や風力発電のようにエネルギー活用もできます。身近な生活の中で「風のデザイン」つまり風の道をうまく作ることで、住まいの快適さは変わることをお話ししていきましょう。


【ピラカンサ(Pyracantha coccinea)】
秋から冬の間中、鮮やかな赤い実が重さで枝垂れるほどたわわに実る。枝に棘があり、生垣にも向く常緑低木。彩りの少ない季節、自然にしだれさせたり、刈り込んでトピアリーしたりと敷地の広さやイメージによっていろいろ楽しめる。
まず風を知ろう
私たちが住む屋外では、空気の流れは、ちょっとした要素で驚くほど変わります。風の利用と調節を考える前に、まず風の性質を理解することから始めましょう。

気流は水と同じように、容易には方向変換しない性質があります。空気は障害物の上下、あるいは周辺を通り、ときには中を通過します。風は遮るものがない限り直進し、暖められれば上昇し、冷やされると下降し、地表面を流れ、最も低い位置に落ち着きます。

霧の現象は、暖かい空気の上から冷たい空気が降りてくることによって起こるのです。また、毎年同じ場所に霜がおりるのも同じ理由からです。

風は他の要因と同じように、人が感じる快適さに影響します。風は体から直接熱を取りながら、蒸発によって肌を冷やします。風が強いと実際の気温以上に寒く感じられることはよく知られています。
風を味方にするためのステップ1
卓越風(ある地域である期間に最も吹きやすい風。恒風)の風向きは、必ずしもそのエリアで一致しません。風は建物、樹木、山、谷などで曲がり、跳ね返り、地域の地形に影響を受けるのです。

まず、あなたの庭の卓越風の向きを正確に知ることが重要です。 自宅周辺の季節的な風の流れを把握するには、少なくとも1年はかかりますが、ランドスケープとは住宅とともに人生の多くの時間をすごす空間なので、必要な情報を最初に得るということは、とても大切なことなのです。
【風向きを把握しよう】
1)布きれを縛り付けた1.5〜1.8mの棒数本を用意
2)家の北、西、南側とよく風が吹く場所にしかり固定して立てる
3)数週間分の風向きの記録をチャートにする
4)記録は、冬と夏の一定期間、(風が強いならば春も)行う

※これに加えて、中庭や建物同士のあいだやその周辺には、不規則な風が吹き溜まるポケットがあり、それも敷地計画の際に考慮する必要があります。
風を味方にするためのステップ2
風を利用し活用することが、「風をデザイン」することです。
風を建物からそらせて冬は暖かく。夏は風によって建物の温度を下げ空調費を節約。さらに、風による水分蒸発作用で、庭の病害虫の繁殖を抑え、除湿器の必要性を軽減させることなど、風を味方にすることで沢山のメリットがあります。卓越風は冬と夏で異なる方角から吹くので、それぞれの風の調節を考えて設計しましょう。

【風をデザインしよう】

▼冬の時期
風を建物からそらすために、常緑樹や壁を使って風の方向転換を図ります。
※こういった保護的な障壁の後ろには、無風地帯ができます。これをウィンドシャドーといいます。

▼夏の時期
快適な風が通風筒(生垣などでつくる狭い場所を通り抜ける風の通り道)によって流れを増し、直接住宅やその周囲に流れをつくるようにします。
※丘、バーム(人口の丘)、峡谷などの地理的条件を利用して、風の通り道をつくることもできます。
自然と人間が共存し、資源エネルギーの保全し活用する身近な庭づくりについて、今まで6回に渡ってお話してきました。自然から学ぶことが、庭づくりにおいて重要な意味を持つことを少しご理解いただけたかと思います。・・・次回からはより実践的な内容でお届けしていきたいと思います。ご期待ください!
バックナンバー
監修:小出 兼久
(株)ランド・ジャパンデザイン事務所
URL:http://www.t3.rim.or.jp/~land_jpn
環境とエネルギーの節約を考えた
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