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昨年、機会があってポートランドに行ってきました。
美しい街並み、整備されたインフラ、タックスフリー、治安良好…と絵に描いたような理想の街で大変感激したのですが、中でも一番印象に残ったのは、「オーガニック」でした。オーガニックな作物がオープンマーケットで売られ、加工食料品店でもレストランでもオーガニックな食が一般品よりやや高価ですが普通に手に入ります。世界で食品の安全性が問題になる時代、皆が求めているのは、安全からくる「安心」なのだなとつくづく思います。
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そこで、食は庭とも関連がありますし、今年は緑の暮らしについても、「安心」と「安全」を中心に据えながら、考えたり実践して行きたいと思います。
では、具体的にはどのようなことに気をつけたら良いのか?
大きく分けると次の項目が鍵になるのではないかと思います。
・安全な食物づくり
・侵入者の防止
・歩行の安全性
・材料の安全性 |
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安全安心の庭づくりで最初に思い浮かべるのは、家庭果樹や家庭菜園です。時節がらか安全に一番敏感になります。何と言っても自分で作るのであれば、これほど安心なものはありません。これを機会に、ぜひ手作りを始めてみたらいかがでしょうか。作って見ると、案外知らないことがあるものです。私は昨年屋上でナスを栽培しましたが、収穫後、私のナスは市販品と同じところで保管をしていても、すぐに表面が萎んでしまうことに気づきました。ダメになってしまったのかと思い、慌てて切ってみると、中味は昨日採ったものなのでまだまだ瑞々しいです。「?」と何回か経験の後に、市販品は出荷前に低温冷蔵処理をしているという話を聞き、なるほどと思ったものです。私のナスが悪かったわけではなく、プロはプロの手腕を発揮していたわけです。市販の野菜が自分の手元に届くまでには、多くの手がかかっているのだと実感し、以来、ありがたみが増えました。また、自分で作ったものは捨てるわけにもいかず、献立の立て方も気をつけるようになりました。ひとつの野菜からいろいろと考えさせられるのも得難い経験です。
初心者の方は、ブルーベリー、ラズベリー、ジューンベリー、ナツミカン、ハナユなどの育てやすい果樹、王道の夏野菜(ナス、トマト、ピーマン他)、お好きなハーブを少し、と、このあたりから始めるのが良いと思います。
また、プランターの場合には、お勧めは葉物野菜や香味野菜で、山東菜やホウレンソウ、フダン菜は作りやすいですし、パセリやバジル、ミントならば買うには高いけどあると便利です。今から心に留めておき、春に種を播くことにしましょう。 |
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安全を考えてできるだけ農薬は使わずに済ませたい…。
そのために1番大事なことは、「無理はしない」ことです。曰く、栽培方法が自分の手に余る物は避ける、種からが無理ならば良い苗を選ぶ、植える場所は植物に合った場所に。日当たりや通風がよいところで、土は合った土を使う、水や肥料は十分に与える…という風に、いつも植物に無理なストレスをかけないようにすれば、病気や害虫の危険はぐっと減ります。
プランター栽培ならば市販の培養土を用いてください。培養土は無菌なので雑草が生えにくいです。
菜園の場合には、以前の場所ではなく、新しく始める方が病気感染のリスクが減ります。場所を移動できない場合には、昨年使った土は避け、天地返しでより深く掘った新しい土を用いるようにします。このとき、深くなるほど土に含まれる有機質が少なくなるので、腐葉土や堆肥を足して有機質を補いましょう。有機質の豊富な土では、微生物の活動が活発になり、肥料の効きがよくなり、健康な作物ができあがります。
有機栽培では、肥料は、動植物質を原料にした有機肥料(油カス、鶏糞、骨粉など)のみを用います。ただし、この種の肥料は、土中の微生物が分解して初めて植物が吸収できるようになるので、土壌に微生物が豊富なこと、効果が現れるまでに2〜3週間かかること(植え付け前に予め施しておく)などの特徴があり、やや手間がかかります。
この点化学肥料は、栄養分がもともと無機質の形であり、水で溶けて植物に吸収されます。手軽と言えます。しかし、肥料過多で問題になるのはこの化学肥料の使いすぎです。最初に述べたオーガニックとは有機栽培のことで、有機質のみを使って栽培をすることで、家庭菜園ではやりやすいともやりにくいとも言えます。農薬さえ用いなければ、後は自分の続くやり方がいいと思います。
除草剤を使わずに除草の手間を省くには、最初に苗穴の空いた黒のフィルムシートで覆った後に苗を植えるのが一番です。とはいえ、菜園の面積が少ない場合には、これが難しいときもあり、その場合には植えた後に5cm程の厚さでマルチングをします。マルチには奮発して樹皮が原料の培養土を使うとよいでしょう。
こうした防御をしても雑草や害虫が発生したら、手で取り除きます。害虫にはオーガニックスプレー(身体に無害な物:ニンニクスプレーやハーブティー、石鹸水など)が効きます。市販のそれ用の石鹸を利用してもいいでしょう。
また、考え方ひとつということもあります。さすがに害虫を放置すると枯れてしまう事態では、駆除すべきですが、枯れるほど被害が酷くなければ、少々見栄えが悪くてもそのままでもいいという選択です。虫も食べたい美味しい野菜、その逆を思えば、これもまた良しではありませんか?
また、コンパニオンプランツ(共生植物)というものがあります。これは例えば、キャベツとマリーゴールドを一緒に植えるとマリーゴールドがキャベツの線虫よけになってくれる、というものです。誤った組み合わせは逆効果ですが、正しい組み合わせでは効果があります。
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昨今の治安状況を考えれば、安心してくつろぐには
防犯対策も怠りなくしておきたいところです。
要所の施錠や敷地に簡単に入れるような作りにしないといった基本対策はもちろんですが、塀に加えて、例えば、進入防止のために、要所に、トゲのある常緑樹を植えたり音の出る砂利を用いると効果倍増です。この種の砂利はDIYセンターなどで手に入ります。
やりすぎは家人にとっても使いづらくなるので、イラストのように、板塀と常緑樹を利用したデザインで変化を付けるとか、ポイントをおさえ、上手く配慮しましょう。有刺植物にもいろいろあるので、環境に合ったもので適当な木を選びましょう。例えば、ヒイラギやヒイラギモチの木ならば、クリスマスにはアクセントになり、切花としても使えます。斑入りの葉は周囲を明るく見せますが、明るい壁やにぎやかな床材に加わると少しくどいかもしれません。濃緑の葉は、野暮ったい感じもありますが、建物に風格を与えることもあります。 |
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有刺植物は、上述のように進入を防ぐ目的で植えられ有益でもあるのですが、中には、刺がダメという人もいるようです。有刺植物は、もともと、草食動物に食べられないようにするために刺を持ったと言われますが、中には、例えばセイヨウヒイラギのように、刺の先端が折れるとそこから刺激成分を出すものもあります。何ともない人もいますが、皮膚炎を起こしやすい人やアレルギー体質の人はかぶれるようです。有刺植物の場合、わざわざ刺を折ることは考えにくいのですが、よくある状況は、剪定作業をしているときに、かぶれてしまうことです。これを避けるには、手袋をして作業をし、念のために予め手など該当部分に殺菌クリームを塗っておくとよいでしょう。
次に、有毒植物です。
根に毒があるものが多いですが、中には葉や茎など全体にあるものもあります。
スイトピーはエンドウなどと同じマメ科ですが、花も実も何もかも食べられませんので、ご注意下さい。
フォックスグローブ(ジギタリス)もダメです。これはある種の心臓病に効く成分を含むのに、健康な人には有害です。ほかにもいろいろあります。
通常私たち大人は、この種のものをむやみに口にするはずがないので、これら毒の脅威から逃れられているわけです。普通はそれで十分なのですが、もし幼い子がむやみになんでも口に入れてしまうという危険があるのならば、これらは決して植えないでください。
また、皮膚炎やかぶれというものがあります。
これは、有刺植物にもありますが、植物が刺激成分を放出していて、それに反応して起こります。かぶれは、一般にウルシ科の植物に多く、ひどい場合には、触れなくとも下や側を通っただけでも起こります。また、花の香りやハーブアロマの強い香りが喘息の発作を誘発したり、花粉アレルギーなどもあります。
気を付けたい植物をいくつか挙げておきます。
| 食用不可の植物の一例 |
| キングサリ |
初夏に黄色の藤のような花穂が垂れ下がるマメ科の落葉樹木。毒がある。
花の後にできる長い莢(さや)は物珍しく、子供がおままごとに使いたがるような魅力もあるが、種子は有毒。
この他、イチイの赤い実も同様の誘惑にかられやすいが有毒。小さなお子さんのいる家庭は家の庭や近所に何があるか、一度確認をお勧めうる |
| シャクナゲ |
ツツジ類全般。花粉がダメな人もいる。
茎や葉の汁がかぶれる人もいる。食用も不可。 |
| ジンチョウゲ |
春を告げる花だが、樹液や実の汁は付着すると皮膚炎を起こす人もいる。実は有毒。 |
| スイトピー |
食用として用いられる以外のマメ科は、有毒なものが多い。 |
フォックス
グローブ |
別名:ジギタリス、キツネノテブクロ
芽が出たばかりはコンフリー(食用可)と間違いやすいが、こちらは有毒。 |
| プリペット |
常緑低木。生垣などに向くが、花の香りが喘息の発作を誘発することがあり、また、花粉アレルギーや茎葉には刺激成分が含まれ、付着すると皮膚炎を起こす人もいる。 |
| アレルギーや皮膚炎を起こす可能性があるもの |
| 名前 |
花粉 |
茎や
葉の汁 |
名前 |
花粉 |
茎や
葉の汁 |
| アゲラタム |
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デイジー |
● |
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| キンセンカ |
● |
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ヒマワリ |
● |
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| クレオメ |
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● |
プリムラ・オブコニカ |
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● |
| コスモス |
● |
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プリムラ・ポリアンサ |
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● |
| サントリナ |
● |
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マーガレット |
● |
● |
| ダステイーミラー |
● |
● |
マリーゴールド |
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● |
| タラゴン |
● |
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ローマンカモミール |
● |
● |
| 喘息患者がいる家庭で避けたいものの一例 |
| イネ科の植物、ゼラニューム、ラベンダー、マリーゴールド、ヤロー、ナデシコ類、シャスターデージー、クレマチス、ハニーサックル、フジ |
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庭の歩行安全性や快適性も重要です。
雨が降っても、凍っても、風の日も、安心して歩けること。全体をくまなくそうしろとは言いませんが、最低限の庭のインフラは安全に整備したいものです。庭の一部を舗装するのはよくあることですが、その場合の舗装材や舗装方法は、見た目重視ではなく、子供からお年寄りまでそこを利用する人の安全を考えて選ぶようにします。例えばレンガにもいろいろあります。つるっとした表面のレンガは湿ると滑りやすくなり、苔むすとよけいに、雨や凍結で滑りやすくなります。特に、陰になる場所や湿りがちな場所では、滑らない舗装を選ぶようにします。コンクリートの洗い出しや刷毛引仕上げは、滑りにくい舗装の代表的なものです。
また、庭を自然風でお洒落に見せるピンコロ石という表面がでこぼこした小さめの角石がありますが、これは足の上がりにくいお年寄りの足元には不向きです。お年寄りには少しの段差が却って危ないので、歩く地面は段差のないバリアフリーにするか、段差ならばはっきりと分かるものにしなければなりません。さらに認知症が有る場合には、暗い色の材料は適さず他にも注意することが出てきます。
他には舗装材の目地にご婦人のヒールが入ったり、結構意外なところに思わぬ落とし穴があるものです。玄関までのアプローチ、駐車スペースやテラス、庭の小径…。例えば、アプローチや駐車スペースは皆が使うところなのでコンクリートの滑りにくい舗装にし、庭の小径は庭好きの人やメンテナンス作業の時に使うだけだから、レンガやピンコロにする…という風に、舗装を利用者に応じて変えることもできます。 |
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“緑のある暮らしフォーラム”は、21世紀の暮し方を毎月みなさんで考えて行くコーナー。
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